テクノロジーの力で、社会へポジティブなインパクトを生むイノベーションを|GAテクノロジーズ新役員・後藤正徳インタビュー
2024年12月2日、株式会社GA technologies(GAテクノロジーズ)の常務執行役員 CTO(Chief Technology Officer)に、後藤 正徳が就任しました。
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今回の記事では、後藤の経歴や就任の背景、そして今後の目標や意気込みについてインタビュー形式でお届けします。
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学生時代からオープンソースの活動に注力する
ー 小さい頃からパソコンがお好きだったと伺いました
いわゆるパソコン少年でしたね。小学生からプログラミングを始め、自分でゲームを作っていました。当時は任天堂の家庭用ゲーム機が全盛期でしたが、ソフトは一度も買ったことがありません。そうした趣味が高じて、大学では工学部でソフトウェアの研究をし、大学院では今でいうAI、機械学習の研究に取り組みました。
また、大学院で取り組んでいた研究の一つがストレージに関する研究でしたので、その流れで株式会社富士通研究所に入社し、主にストレージシステムやPCクラスタ、高速ネットワークなどの研究・開発を行っていました。
ー その一方、学生時代から、オープンソースソフトウェアの活動にも精力的に携わられてきたと伺いました。
当時、ソフトウェアは企業によってパッケージで販売されるのが主流で、学生にとっては高価なものでした。一方、オープンソースソフトウェアは企業のように利益を得ることが目的とは限らず、誰もが無償で使用や開発、改良、再配布できます。当時はOS(オペレーティングシステム)自体がまだまだ発展途上でしたので、自分たちの手で自分たちにとって使いやすいシステムを開発したいという思いがあり、活動に参加しました。
オープンソースソフトウェアの活動では、Debian Projectを始めとする様々な開発コミュニティに参加しました。Linuxカーネルについてはいまだにメンテナーとして携わることがあります。1999年には「横浜Linux Users Group」というコミュニティグループも創設し、各種普及に向けたイベントの開催も行っていました。
グーグルで、Googleマップの開発に取り組む
ー 富士通研究所では、大企業ならではの大掛かりな開発に携わられたと思います。そこからなぜグーグルに転職しようと思われたのでしょうか。
それまではハードウェアからそれを活用するミドルウェア、OSの研究開発に従事していました。しかし、そのような技術を基に構築されたシステムを、実際に人々が送る日々の生活で役立てたいと思うようになりました。グーグルという会社はその点が比較的はっきりしていて、大規模なインフラ、大量のデータやストレージをどのようなアプリケーションで活用するのかということに先進的に取り組んでおり、そこに惹かれました。
グーグルでは当時スタートしたばかりのGoogleマップの開発に携わることになりました。そこでは、大きく分けて二つの領域に取り組みました。
一つは日本のユーザー向けに日本の地図を作るということです。日本は地図リテラシーが非常に高い国で、小学校で地図の読み方を教える国でもあります。通りに沿って番号をつけていくことが多い海外と違って「六本木3丁目2番1号」といった住所表記を採用している日本は、住所を聞いただけでその場所に到達することや、イメージすることが非常に難しいです。それだけ日本では地図の必要性が高いことやユーザーの要求レベルも高いことから、日本におけるマップの開発に取り組んでおりました。
もう一つがグローバルでも使われるような機能の開発です。Googleマップのトップに表示されているボタンに「スポット・保存済み・投稿」や「職場・自宅」などが表示されていると思いますが、そういった様々な機能を新たに提案、実装を行ってきました。使う環境や機能に応じて刷新、改良を続け、世界中の方々に日々便利に使っていただけるサービスにすべく、少しでも貢献できたのではないかと思っています。
不動産業界の課題、GAテクノロジーズの持つ可能性に惹かれて参画を決意
ー そこからなぜGAテクノロジーズに参画されることになったのでしょう?
直接的なきっかけは、代表の樋口と会ったことです。
私はこれまでのキャリアで一貫してパソコンやインターネットの領域に携わってきました。当初はコンピューターそのものが充分に動かなかったり、普及していなかったりしたため、コンピューターそのものを開発することに目を向けていました。しかし、様々な人の手によってハードウェアやソフトウェアが進化するにつれ、それをつなげるネットワークや様々なシステムが生まれ、デバイスもデスクトップパソコンからモバイルへと進化したことで、今では誰もがデバイスを持ち運び、手の平で様々なサービスを使えるようになりました。
そうした進化の中では、ますますテクノロジーとリアルをどう結びつけるか、テクノロジーによって実生活をどのように変えられるかが重要になっています。GAテクノロジーズは「テクノロジー × イノベーションで、人々に感動を生む世界のトップ企業を創る。」という企業理念(OUR AMBITON)を掲げています。こうしたキーワードを追求している会社は珍しく、非常にユニークな会社だと感じました。
また、GAテクノロジーズが、主な事業として取り組んでいる不動産領域は、インフラとしても経済規模としても非常に大きなインパクトがありながら、まだまだ業務効率化が進んでいなかったり、情報の非対称性が存在していたりと課題が存在している業界です。それは逆に言えば、非常に大きな成長機会があるということだと思いますし、その課題にテクノロジーの力でアプローチし、社会に大きなインパクトを与えるイノベーションを起こすことができるのではないかと感じています。
ー GAテクノロジーズのメンバーや会社のカルチャーには、どのような印象をお持ちですか?
雰囲気が非常に良いと思います。みなさん非常に生き生きとしていますよね。様々な部署のメンバーが集まり、顔を突き合わせてワイワイ、ガヤガヤと議論している様子に活気を感じました。課題解決に向かって全力で取り組んでいることが伝わってきますし、そういった部分に惹かれました。
社会にポジティブなインパクトを与えられるプロダクトや組織開発に取り組む
ー 常務執行役員 CTOとして、今後どういったことに取り組まれていくのか教えてください。
当社の中期経営計画には「テクノロジー戦略の強化」や「グローバル化の加速」といったものが重要な戦略として位置付けられていますので、まずは様々なサービスやプロダクトを開発するための、テクノロジー人材の強化や体制・仕組み作りがメインになります。
テクノロジー戦略においては、複雑で多様な世界をいかに簡潔でありながら、皆様へ利用していただくサービスとして十分に満足のいくものにするか、バランスを取っていくかが非常に重要です。GAテクノロジーズが現在、主な事業として取り組んでいる不動産領域はこの複雑な社会システムの象徴のようなものだと思っております。テクノロジーの力でその課題に挑戦し、社会にポジティブなインパクトを与えられるプロダクトやそれを迅速に実現できるようにしていきたいと思っています。
不動産というものは、社会のインフラでありながら、分かりにくい分野ではないでしょうか。テクノロジーの力で不動産取引等における透明性がさらに高まり、効率化が進むことによって、こうした見え方を変えていけるのではないかと考えています。
撮影:今井淳史
※本記事は作成時点での情報を参考にしております。最新の情報と異なる場合がございますので、ご了承ください。