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唯一無二のビジネスモデル、その非連続な成長を目指して|GAテクノロジーズ新執行役員・中尾麗イザベル 就任インタビュー

2023年11月1日、株式会社GA technologies(GAテクノロジーズ)の執行役員(ファイナンス担当)に、中尾 麗イザベルが就任しました。

プレスリリース「新経営執行体制に関するお知らせ」

この記事では、中尾の経歴や就任の背景、今後の目標や意気込みについて、インタビュー形式でお届けします。

Profile

中尾 麗イザベル / Lei-Isabelle Nakao
2007年、UBS証券に入社。2013年ゴールドマン・サックス証券、BNPパリバ証券を経て、2018年にUBS証券債券本部金融法人営業部長。2021年にGAテクノロジーズの顧問に就任。2021年、株式会社Gunosy 社外取締役就任、2022年株式会社grooves 社外取締役就任、2023年天馬株式会社社外取締役就任。

データの力を実感し、経済学から金融の道へ

— まずはこれまでのキャリアについて教えてください。ファイナンスにはいつ頃から興味をお持ちだったのでしょうか?

実は、大学で最初に学んだのは経済学ではなく、法学でした。それらの分野に興味を持ったのは、自分自身の経験がきっかけです。私の父はフランス、母は日本の出身なのですが、私が生まれたときは、日本の国籍法上、父方の国籍しか子供は引き継ぐことができませんでした。後にこの父系血統主義は日本が女性差別撤廃条約に批准することを妨げることから、1984年に改正されて両血統主義となり、この法改正のおかげで私自身は小学校2年生で日本国籍を事後的に取得するに至りました。ただ、重国籍については引き続き日本は認めていないため、両親からは常々「成人したら自分で判断するように」と言われて育ちました。同時に、そもそも国籍に関する考え方は国によって異なり、フランスも日本とは全く異なる思想のもとに法律が制定されていることを、家庭の中で具体的に教えてもらっていました。

このように、国のルールのあり方によって「ある国では可能なことが他の国ではできない」「できなかったことも法律が変わればできるようになる」ということが面白いと感じました。また「正しいものはどこにあるのか」を学問として追求できることや、そこで得た知識が世の中のトラブル解決につながるのも魅力に感じ、法学部に入学しました。

— そこから、どのようなきっかけがあって経済分野へと接近されたのですか?

パリ政治学院への交換留学が一つのきっかけです。当時日本で政治学というと、歴史から学ぶ政治史的なアプローチが中心でした。しかしフランスでは、統計などを用いて数値的に説明する手法が積極的に採用されていました。そんなパリ政治学院の環境で学ぶ中で、「言語が通じなくてもデータで人を説得できる」という実感を得ました。

一方その頃、法律の持つ「遅さ」に対する違和感を抱いていました。法学には何か悲劇的な出来事が起こってから事後的に解決する側面が大きく、スピード感として物足りないという感覚があったんです。例えば今で言う仮想通貨のように、法整備に先駆けて実体経済が動いていくような動きを捉えたいという想いがありました。

このような経緯で、大学院では統計的手法を用いた計量経済学の観点から公共政策を研究することにしました。経済学と直接関わるようになったのはそのあたりからですね。

— 修了後は、どのようなキャリアを築いてこられましたか?

周囲の優秀な就職活動中の学生の多くが外資系金融機関に就職していったこともあり、UBS証券に入社しました。最初、UBSには商品組成の担当者として入ったんです。したがってお客様と直接接するというよりも、エクセルなどでデータに触れる日々でした。

当時はリーマンショック直前の時期で、まさにサブプライムローンの支払いが滞っていくデータを見ながら、「機関投資家がなぜこれを買うのだろう?」と疑問に思ったんです。商品が選ばれる現場の実態を見たい、という強い想いから社内異動を希望し、そこからずっと営業に携わることになりました。

スイス系のUBS証券のあと、アメリカ系のゴールドマン・サックス証券、欧州系のBNPパリバ証券とバックグラウンドの異なる企業を経験しましたが、国のルールや会社の考え方によって、カラーがまったく異なるんですよね。お金という色のついていない商品を扱う世界だからこそ、人や組織の個性が際立つと感じました。

次世代を担う女性たちのため、一つの道をひらく

— 仕事に邁進されるかたわらで、ご出産も経験されていますね。壮絶なトラブルがあったとお聞きしましたが……

私が妊娠したのは、BNPパリバ証券に入社して1年も経たないタイミングでした。産休やその後のキャリアについては、もともとあまり不安に思っていなかったんです。日々結果を残していれば、お客様をはじめ周りの方々がサポートしてくれる、戻る場所はある、という実感を持っていました。

しかしそんな自分でも、まさか出産時のトラブルで歩けなくなるとは予想できていませんでした。骨盤の靭帯が切れるという、病院でも前例のない症例で、医師に聞いてもいつになったら退院できるのかすらわからない。突然、暗闇の中に放り出された感覚でした。産んだらすぐに職場に復帰する予定だったのに、まったく計画どおりに物事が進まず、精神的にも身体的にも暗中模索の日々が続きました。

しかしこの経験を通してわかったことがあります。「どれだけ悩んで、どれだけ綿密に計画を立てても、結果を完璧にコントロールすることはできない」ということです。

ビジネスパーソンとして脂が乗ってくる20代後半から30代にかけての期間は、出産のタイムリミットを意識し始めるタイミングでもあります。そこで優秀な人ほど、大切なライフイベントを仕事と同じようなスタイルでとらえて、スケジュールを引いてしまうと思うんです。転職や昇進などの新しいチャンスに踏み込みづらかったり、仕事でチャレンジするのだからとプライベートにブレーキをかけたり……ジレンマがありますよね。でも、それをジレンマだと思ってほしくないんです。どんなに考えても、結果はどうなるかわかりませんし、最善を尽くして行動すれば、必ず次の道が開けますから。

— トラブルから復帰されたあとのお話もお聞かせいただけますか?

復帰後、再び入社したUBSで、機関投資家営業のマネージャーとして働かせていただきました。同時に、社内のダイバーシティ推進のため、アジアや東京でコミッティ―に所属。特に東京では、女性マネージャー候補を増やしていく施策に携わらせていただきました。

当時マネジメントには女性はまだ少なかったのですが、目に見える形で、女性が意思決定できるポジションにいることは、とても重要だとずっと思っています。そうでなければ、あとに続く若い人たちにとって、それが当たり前のキャリアパスにならないからです。

そういった意味で、今回の執行役員就任は自分個人だけのことだと思っていません。私がすべての解答ではないですが、これまで女性がいなかったポジションで、最初の一歩として、次世代への道筋の一つをつくっていこうと思っています。GAの経営陣がこうした決断をしてくださったこと自体が素晴らしいと思いますし、ますます役に立てるという実感が湧いて、とても嬉しく思っています。

「伸びる」と感じた組織に、これまでの知見を還元したい

— そもそも、GAテクノロジーズを知ったきっかけは何だったのでしょうか?

きっかけは不動産投資です。仕事がどんどん忙しくなる中で、自分自身の資産形成はどうなるんだろうと、はたと思ったんです。でも、調べる時間もないし……と夫に相談したら、「こんなのがあるらしいよ」とGAのサービスをスマートフォンで見せてくれて、お問い合わせしたら、ものの数分で電話がかかってきて、驚きました。

一旦電話を切ったのですが、次はなんと社長の樋口が直接電話口に出てきて、一瞬「怪しい」とは思ったのですが(笑)、お話を聞いていると「いいかもしれない」と思って面談に進み、購入に至りました。

このときの顧客体験が圧倒的に素晴らしかったんです。不動産に興味がなかった自分が、スムーズな形で、良いものを、負担なく購入できました。さらに購入後に至るまで、どなたに会っても気持ちのよい人ばかりで、人に支えられている会社なのだと感じました。

営業としての経験から、これはビジネスとして強い、きっと伸びる会社だと感じました。お客様視点で見ると、これを選ばずにほかを選ぶことはないだろうと思ったんです。

— その後、何がGA参画の決め手となりましたか?

樋口さんからオファーをいただいたタイミングも、良かったのかもしれません。40代が目の前に迫り、今の働き方を続けて本質的な学びを得続けられるのだろうか?と、成長への欲求と自分の状況との乖離を感じ始めていました。

また、周囲からの教えを吸収して直線的に成長できる20代〜30代を過ぎて、40代はその経験を今度は自分が周囲に還元し、次世代を育成し、共通の価値観を持つ人たちと同じゴールに向かって働いていくということを、もっと明確に仕事の中に組み入れていきたいとも考えていました。

このような「成長したい」「還元したい」という自然な欲求の中、これまでとは違う外の世界に出ていくことで、自分の知見を役に立てられるんじゃないか、そこに自分の生かされている意味があるんじゃないかと思い始めました。

そのとき、代表の樋口さんに、「成長途上のGAで今までの経験を活かしてもらいたい」と相談を受けました。「登り方はわからないけれど一緒にやりましょう、山は高ければ高いほどよいです」と言われて、オファーを受けることにしたんです。

金融機関との連携を深め、マーケットの地位確立を目指す

— 最後に、執行役員(ファイナンス担当)として、今後やり遂げたいことをお聞かせください。

GAテクノロジーズの非連続な成長を支えたいです。自社のファイナンス強化だけでなく、RENOSYでの商品購入時にお客様が利用されるローンも含め、事業拡大に向けて金融機関との連携および関係を強化していきたいですね。これまでの自分の専門領域が活かせる部分であり、注力したいポイントです。

コーポレートの資金調達において、GAには直接的に比較できる競合他社がおらず、ユニークな存在です。驚異的なスピードで成長し、在庫回転も非常に早いという特長があります。不動産をオンラインプラットフォームでマッチングし、一気通貫のサービスを提供するという唯一無二のビジネスモデルを、金融機関や投資家の方々にもっと正しく理解していただき、いつでも資金調達できるようにしたいと思っています。

三菱UFJ銀行からの資金調達などは、まさにそういったグループ全体の競争原資を理解していただけた良い事例です。不動産を主たるビジネスにする会社として、システム投資のために無担保で長期の資金調達は非常に珍しいこと。このようにGAの強みを理解していただき、金融的観点からご支援いただけるよう今後も頑張りたいですし、こうした実績を積み重ねていきたいです。

また、RENOSYで扱う商材はこれまで中古区分マンションがほとんどでしたが、商品のラインナップ拡充にともない、顧客体験を高められるようなローンを拡充していく必要もあると考えています。

不動産投資は借入というレバレッジを使って資産形成を行いますので、自社ファイナンスだけでなく、お客様のファイナンスという両面で金融機関とは切っても切れない関係にあります。だからこそ正しく相互理解し、関係性を強化することで成長スピードを加速できると感じています。幅広い事業連携を進め、世界の名だたるトップ企業に投資している投資家にも、GAの優位性・成長性を理解していただき、マーケットでの地位を確立したいですね。


撮影:今井淳史
ライター:瀬良万葉

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